S4 Medicalが心臓治療手順改善のために医療機器の設計サイクルを短縮

S4 Medical(旧Sotera Medical)は、重篤な心臓治療手術に関連するリスクを最小限に抑えるための画期的なソリューションとなり得る「Protect-E」を開発しています。 S4は、Carbonプロダクションネットワーク(CPN)パートナーであるResolution Medicalと提携し、Carbon材料の多目的ポリウレタン樹脂(MPU 100)を使用することにより、設計サイクルの短縮化を通じて製品化に要する時間の大幅な削減を実現しました。これはS4のような医療機器のスタートアップ企業にとって重要な、早期の臨床試験の確保につながります。S4がResolution Medicalを介してCarbonプラットフォームをどのように活用して医療機器の設計を迅速に最終化し、心臓治療における患者の健康を劇的に改善しようとしているかについてご紹介しましょう。

 

問題:アブレーション手術の合併症

世界中で高齢化が進んでいますが、不整脈の一種である心房細動は脳卒中の主な原因であり、多発しています。心房細動は薬物治療に反応しないことが多いため、カテーテルアブレーション治療(心臓組織の選択的な凍結または加熱)が、心房細動につながる不規則な電気信号を止める手法となっています。カテーテルアブレーション治療は有効ですが、食道が心臓に近接しているため、潜在的に深刻な合併症を発症します(図1)。 数ミリメートルしか離れていないため、アブレーション手術中に食道を意図せず損傷し、食道に熱損傷を引き起こし、最悪の場合はほぼ致命的となる食道瘻が形成されます。従来の研究では食道を保護し、アブレーション治療の恩恵を享受する方法が示されてきましたが、これらのアプローチにはまだ制約があります。

図1:食道が心臓に近接することにより、アブレーション手術を困難なものとしている

 

食道を僅か1インチでも移動できれば、食道は熱損傷を受けないことが多くの研究で示されています。食道を移動する従来の試みでは、内視鏡、プローブ、シンプルなスタイレットワイヤーで食道を横に移動させますが、食道は柔らかい管のためそれらの機器上に「テント」を張ることが多く、食道の一部が同じ位置に残ってしまいます。

 

ソリューション:S4 Medicalの「PROTECT-E」機器

図2:アブレーション手術を改善するための「Protect-E」機器
S4Medical が設計し、Resolution Medical が Carbon 生体適合性材料 MPU 100 で製造

S4 Medicalは、「Protect-E」という使いやすい装置を設計し、食道の全周をその内部から軽く吸引して優しく掴みます。この機器がアブレーション手術中に僅かに位置をずらすことを可能とし、医師がカテーテルアブレーションを行う間、麻酔科医は食道の位置を微調整することができるようになります。 「Protect-E」機器のコントロールノブにより、麻酔科医は食道を「そらし」、心臓から遠ざけることができます。 この機器はまた、温度を能動的に監視して、食道がアブレーション手術のエネルギーに曝されないようにします(図2)。

 

設計サイクル短縮

S4のような医療機器のスタートアップ企業にとって、早期の臨床試験を受けることは非常に重要です。このため、「Protect-E」の設計を最終化し、初回モデルを製造することが最重要とされました。射出成形のような従来の製造手法では長期間にわたる高価な金型サイクルを必要とし、開発フェーズの大幅な遅延が発生します。一方、Carbonプラットフォームでは、S4が設計を迅速に繰り返しつつ、射出成形品相当の最終用途部品を製造することができました。

 

「金型製造、射出成形での設計の繰り返しに通常6〜8週間以上かかる時間サイクルは、臨床を試みようとしている小さな医療系スタートアップ企業にとって生死を分ける問題になりかねません。Carbonプラットフォームと生体適合性材料を使用することで、私たちのチームは、設計サイクルタイムを数日に短縮し、容易に射出成形できない部品を簡単に製造できました。」

Blane Larson
Resolution Medical 開発担当副社長

 

医療品質の材料

更にS4 Medicalは、医療品質のCarbon MPU 100が当機器に適した材料であることを見出しました。この材料は、細胞毒性、刺激性、感作性、全身の急性毒性について試験されており、食道での使用が検証されています。MPU 100の生体適合性と最終用途の機械的特性をCarbonプラットフォームのスピードと組み合わせ、S4は新しい設計修正を行った僅か数日後に新しい機器のテストを開始できるようになりました。

 

「Carbonプラットフォームを使ってResolution Medicalと提携し、設計フェーズを非常に迅速に進めることができました。月曜日に設計変更を行い、週の半ばまでに新しい機器をテストし性能を確認できました。これは、即座に時間とコストの節約につながりました。」

William Fuller
S4 Medical CEO

 

S4 Medicalは既に多くの前臨床試験を実施しており、2019年半ばに臨床試験を開始する予定です。Carbonは、S4と同社の心臓ケアを改善する草分け的な機器をサポートし、これを実現したResolution Medicalなどの医療機器メーカーとの継続的なパートナーシップを楽しみにしています。




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